2012.04.22 Sunday
猫のお巡りさん!
京都府宮津市の府警宮津署養老駐在所で飼われている雄ネコが、制服姿で警察官とともにお年寄り宅をパトロールし、振り込め詐欺防止に一役買っている。同府北部は今年に入って振り込め詐欺が頻発。警察官だけで回るよりも打ち解け、注意をよく聞いてもらえるといい、被害ゼロを目指して出動している。
ネコの名前は伊右衛門(いえもん)。山田達見巡査部長(27)が赴任した昨年4月、小屋脇に野良猫が産み捨てていたのを近所の人が見つけ、妻佳世さん(27)が譲り受けた。当時は生後2週間程度。順調に育ち、駐在所のカウンターに座って外を眺める姿が評判になった。
府警によると、今年に入って府内で発生した振り込め詐欺11件のうち、5件は同署管内で、被害額は3150万円に上った。地元住民の約3割は65歳以上のお年寄りだけの世帯。そこで伊右衛門とのパトロールを考えた。
今年3月に佳世さんが制服と、足跡マーク入りの帽子を製作。「不審な電話があった」との情報が入ると、山田巡査部長と佳世さんに抱かれた伊右衛門がパトカーで出動する。駐在所に立ち寄って「無言電話が掛かってきた」と伝える住民も出てきた。「猫のおまわりさん」と子供たちにも大人気だ。山田巡査部長は「防犯情報と同時に癒やしも届けたい」と話している。【安部拓輝】
毎日新聞 4/14日に掲載されました